2016年12月13日火曜日

初めてのSKE劇場〜ハマるきっかけ



「SKEでも見れば?」電話の相手は半ば逆ギレ気味に俺に提案してきた。


「あ、アイドルなんて興味無いッス」完全に不貞腐れた俺はぶっきらぼうに答えて電話を切った。


電話の相手は俺が名古屋の兄貴分と慕う人物だった。

2014年の9月、久しぶりに名古屋に出向く機会があり、この兄貴分と会食の約束をしていたのだが4日前に先方から急に「ごめん、ちょっと無理になった」との電話を受けていた中での冒頭のやり取りである。

電話を切った後も味仙の青菜炒めとビールを諦め切れずにいたが、味仙は一人で行くと相席で詰め込まれるのがオチであり味噌煮込みうどんか味噌カツで我慢しようかと思案していたのだがどうも約束を反故にされての一人メシに気が乗らないでいた。
ふと兄貴分の言った「SKE」という言葉が頭によぎり気がついたらこの「SKE」というアイドルのチケット購入方法を調べていた。

当時の俺はSKEというグループに関してはW松井がいて珠理奈と玲奈は姉妹ではないんだよなという事と軟体芸ができる子がいたよなぁ〜くらいの極めて一般人としての知識しか有していなかったし、AKBについても神7くらいは顔と名前が一致するなというレベルでしか興味がない極めて全うな?人間だった。

「なんだチケットってこのサイトに登録しないとダメなのか面倒くさいな。」独り言をブツブツ言いながらも、名古屋での暇つぶしの手段としてSKE公演に応募することに少し心は傾いていたのだが、登録したものの応募できる枠がなかったため(一般枠の応募前日)「こんな面倒くさいならいいや」とその日は就寝してしまった。

翌日の夜、すっかりSKE公演応募の事なんて頭の中から消えていたのだが、前日よりPCをシャットダウンせずにいたためブラウザのタブにAKBチケットセンターが残っていた。何気なしにリロードしてログイン状態にしたところSKEの公演応募可能枠に名古屋に行く日の公演が応募可能として表示されていた「ラムネの飲み方」というタイトルで。。。

「ん?ラムネの飲み方??どういう意味?変な名前。。。」

公演応募のボタンをクリックすれば申し込みが完了するはずであるが、この公演タイトルとしては、あまりにも意味不明な表記に一抹の不安を覚えてしまい躊躇してしまった事を鮮明に記憶している。

最後は「迷っても、この日しか名古屋へ行かない訳だから仕方ない。」
とタイトルだけでガッカリ感を感じながら応募ボタンをクリックした。

更に翌日AKBチケットセンターから公演当選のお知らせメールが届いた。今でこそ公演当選メールは飛び上がるほど嬉しい物であるが、当時は公演の当選倍率も知らなかったし何より「見たい」という気持ちで応募したものではなく

「あ、当たったんだ」程度にしか感じていなかった。


公演当日を迎え俺は栄にいた。
SKE劇場の受付にて無事チケットを発券してもらって番号通りの場所に整列して開場を待っていた。

客観的にアイドルヲタの皆さんを見る機会は何度もあったが自分がその中に入るのは初めての経験だ。

「ただただ気恥ずかしかった。」落ち着かない。。。

壁にはメンバーが微笑む写真がたくさん飾ってあり、整列しているヲタさん達はサイリウムやメンバー名の入った団扇を持ち、メンバーグッズであろうカラフルなTシャツに身を包んでいる。俺はというとサイリウムもグッズも持っていないしメンバーの名前さえ分からない。
何よりこれから始まる変なタイトルの公演に期待感も持っていなかった。一応出演メンバー名だけは見てきたが「W松井いないんだ」と「高柳明音って名前は聞いたことあるかな?」というくらいにしか思わなかった。

開場の時間になり係員の方がメガホンで番号を呼び上げていく中、自分の番号が含まれている番号が呼び出された。恐らく3順目であったと思う。客席上手後方の扉を入ると上手の方が若干客入りが多く感じたため迷わず下手を進んだ、ラッキーな事に下手前方の端が1席空いていたためここに座ることにした。

しかしながらここから開演までの30分弱の時間がとにかく長く長く苦痛に感じたのである。
場違い感が半端無く落ち着かない。照明やスピーカーが劇場規模の割に良い物を使用しているなとか出べそあるんだとか考えては見たものの時間が進まない。そして何より右隣に座るお兄さんからの視線をチラチラと感じる。

「ヤバイ。話しかけられたらどうしよう。。」

そう思った矢先に嫌な予感は的中した

「推しメン誰っスか?」
20代後半くらいの人の良さそうなお兄さんであったが口調はチャラい感じできた「。。。初めて来たので。。。推しメンとかいないんです。」

自分では当たり障りのない返答をしたつもりであったがお兄さんは多少オーバーに「え?劇場初めてなんすか?誰かお目当ていないんすか?」と食い気味に質問を続ける。俺は内心(参ったなぁ。興味ないとか言うと悪いよなぁ)と考えた挙句「誰かオススメいますか?」と心にもない大人な返答を投げたところ「自分ゆづき推しっス。あ、ひだかゆづきっス。ゆづきは〜」とチャラい口調で延々と日高優月さんの魅力を語ってくれるのであるが、内容はほとんど外国語のように頭に入ってこない(笑)

場内にメンバーの影アナが入り、お兄さんのチャラいトークから開放された俺はふと足元の前方ステージ蹴込前に置いてあるガラス面と金属の立方体に気づいた。
一見するとマジックショーで使用するような感じの作りであるがステージ下とはいえ客席内に置いてあるのが不自然であった

「これリハの時に袖に片付けるの忘れているんじゃないの?」
と勝手な心配をしながら見ているとovertureのメロディーが流れ初めていよいよ開演

M1「兆し」でメンバーが行進しながら入ってくると客席から一斉にMIXが「あーよっしゃ行くぞ〜!タイガー〜」と今では自分でも高まるこのMIXが当時は耳障りにしか感じなかったのはほろ苦い思い出です(笑)

マスゲームのように目まぐるしく変わるフォーメーションに「意外と作り込んでるのね。」と妙に感心しつつメンバーさんをキョロキョロ見回すが、最初に目に飛び込んできたのは明らかにぎこちない笑顔でダンスを必死でこなす中学生くらいのメンバーと、170センチはゆうに超えるモデルさんのようなメンバーさん。どちらも不思議な存在であった印象です。

M2では1人のメンバーが犬の耳をつけて出てきたのですが「あれ?結構年いってるんじゃね(失礼)」と正直感じたような。。(もこもこしていた人だったような。。)


目の前にあった謎の立方体が先ほどまで客席に睨みをきかせていたイケメンの係員によっておもむろにステージ上へ上げられM3がスタート

その謎の立方体にはお立ち台としてメンバー2人が上がっていました。2名とも高校生くらいに見えるキュートな女の子です。80年台を思いださせるディスコ調の曲でイキイキとダンスする姿に一瞬でヤラれました。。「カ・ワ・イ・イ、なんてイキイキ踊る子なんだ。。」そうです目の前のお立ち台にいるコです。

ふと右隣の席のお兄さんが「ゆづき〜」と叫びながらお立ち台にサイリウムを降っているのに気付きました。その瞬間「あ、お兄さんごめん。あなたの言っていたゆづきさんムチャクチャカワイイっすね」と心の中でチャラく謝罪しときました。

それから目ではそのカワイイ子を追い続けて公演を見ることに決めました。しかしM4の間奏で隣のお兄さんが俺のハートを持っていったカワイイ子がセンター付近にいるのに下手端の目の前に来たメンバーに「ゆづき〜」と叫びながら俺の顔面前にサイリウムを降り始めた時に気付きました。
「おい、違うじゃねえか。。。」心のなかでツッコミました。
お兄さんにはなんの罪もありませんが好みが違っていたようです(笑)俺のハートを持っていた子の名前はゆづきではありませんでした。

ちょっと心がフワフワしてきた。(決してモコモコはしなかった)あんなに乗り気じゃなかった公演なのに、、、


もう後戻りできない決心をした

「どうせアイドルなんて。。って見方はヤメよう。この子達には負けた。ついていこう。」


これが俺SKEとの出会い、アイドルとの出会いとなりました。