2017年1月5日木曜日

かおたんが教えてくれたこと


握手会デビューを無事?に終え、すっかり一人前のヲタになった俺は回数を重ねる毎に惣田紗莉渚の握手券購入枚数が増加していった。

当初の釣り対応にハマったのは当然の事実で、ステージ上で「カワイイ」と思ったアイドルが「嬉しい!応援してくださいね!」と飛びっきりの笑顔で言ってくれて且つニックネームをつけられてすぐに覚えてくれる幸せに溺れていた笑

その後も通うたびに彼女は必死に俺の趣味、仕事、居住地など矢継ぎ早に質問を浴びせ次回レーンに入った時には必ず覚えていて、まるで先制パンチを繰り出すかのごとく会話のきっかけをリードしてくれた。

そう彼女らしい「必死に」笑

実は今だから言える事ではあるが何度か握手会に通う内に彼女の握手会での必死さが自分の中では楽しさに繋がらない時期が訪れた事がある。

それも、アイドルの握手会っていう未知の世界に遅ればせながら参戦した俺がまるで「遅れを取り戻さなければ」と勝手な思い込みで、ちょっと大量に券を購入してしまったのが原因である事に他ならない。

いわゆるヲタのエゴってヤツだと反省しております。

この自分自信のエゴに気づかないまま「アイドルって大変だなぁ」ってどこか冷めた気持ちが先走ってしまっていた。

とにかくSKEに対する知識も後追いでしかなく「惣田紗莉渚」以外のメンバーを深く知る余裕もないままのヲタ活が続いていく中で、やっと後追いで得た彼女に対する知識が「今」に追いついた時にようやくKⅡのD1メン達からではあるが、ほんの少し知る余裕ができたことによりちょっとだけ踏み込み始めた。

もちろん、それ以前よりラムネに入るたびに
「江籠ちゃん天使だわ」
「奈和ちゃんカワイイ」
とかのありきたりの感想はあっても、それ以上踏み込むことには自分自身の知識のなさからか躊躇するばかりしかなかった当時は。。。
(今考えるとちょっと構えすぎ笑)

そんな中2015年春チームKⅡに研究生3名が昇格した
「青木詩織」「竹内彩姫」そして「松村香織」だ

おしりんは愛されるいじられキャラであり公演のMCが更に楽しみになるし、さきぽんの王道アイドル感満載のビジュアルやポジティブオーラもチームに良い影響を与えてくれそう

ん?かおたん?毒となるか良薬となるか??

SKEに対する知識の大半が後追いである俺でも、かおたんに対する知識は他のメンに比べて格段に豊富だったのは間違いない。
なぜならネット上で得るSKEメンの情報量として、かおたんは珠理奈よりも多いと言っても過言ではないからであり必然的に求めているかどうかは別として詳しくはなっていた(笑)

そんなかおたんといえば昇格する直前のシャッフル公演の頃から2回公演での夜公演や1回公演であってもWアンコール時のバテ具合や、ヤケクソダンスが最早お約束のネタになるくらい笑いを提供してくれるが、ちょっと異質な感が否めなかった。

しかしながら正規メンとなってからはMCでの爆発力はもちろんダンスも徐々に違和感のないレベルまで上げてきたのはさすがとしかと感じた事はもちろん、何よりもチーム自体が様々な公演での企画だったりMCでのトーク内容なども、今までより「よりファンに近づいた」物になっていったことが自分の中で大きかった。

良い意味でのギラギラとした殺気みたいな物が消え、メンバー個々の個性を生かしつつファンを楽しませる事を第一に考える公演に大きくシフトしていき「KⅡ楽しい!」を実感する喜びを倍増させてくれたと感じていた。

そんな雰囲気が最高潮に楽しいチームKⅡで久しぶりの卒業発表があった。

色々、握手会での異変などが噂として駆け巡り、握手会を欠席し続けていたメンバーだった。卒業発表後は握手会だけではなく公演も休演することが多くなっていた。

そんなメンバーの卒業公演前のラムネに俺は当選していた。

当初、出演メンバーの名前にはそのメンバーの名前はなく、アンダーの研究生が出演予定であったが急遽出演に変更になった。

ここ最近出演する公演ではぎこちない笑顔こそたまに見せるが、パフォーマンスには全く覇気がなく別人のようになってしまい、見ているこちらも戸惑うしかない状況であり出演メンバー変更のお知らせを告げるページを複雑な思いで眺めるしかなかった。

そんな少しいつもとは違う気分で劇場に入ったものの聞き慣れた「兆し」のイントロでメンバー達が登場すると、いつものようにテンション最高潮でMIXを打とう。。としたところ。。。

……

そのメンバーの表情を見て言葉を失った。
目線は客席から遥か上の宙を彷徨い、笑顔とは程遠い無表情で行進していた。
「嘘だろ….
想像を超えて今までに見たことのない光景があった。
周りのメンバーもいつもの笑顔ではあるが、隣のポジに移動してきた際はチラチラと横目でそのメンバーを気にしている。

そんな中、「兆し」の行進では御馴染みの客席に聞こえる行進の足音がいつもより大きい事に気づいた。
よく見ると3列目で動くメンバーの動きが「明らかにおかしい」

正体は「かおたん」だった。

まるで腿上げのトレーニングをしているかの如く膝を高く上げ、振り上げる両腕はバンザイするような高さまで持ち上げた上で何かに取り憑かれたような前傾姿勢で行進していたのだった。

思わず笑った。失笑といえばそれまでだけど、こんなありがたい失笑はない。
客席からのMIXの声量も一段と上がった気がした。

ステージ上でもかおたんのこの姿に、みこってぃが爆笑し始めたのをキッカケに他のメンバー達も自然と笑みが溢れ始めた。
気のせいかさっきまで固い表情を崩さなかったあのメンバーの口元も少し緩んだように見えた。

序盤曲が終わり自己紹介MCでは、みなるんが、このかおたんの行進の件を弄った頃には、公演自体の髪型の企画の盛り上がりも重なりモヤモヤした気分は吹っ飛び、いつもの楽しい公演に戻っていた。

終演後のお見送りにて、初めての決心をした
「かおたんに一言お礼が言いたい」と。

実はラムネ公演のお見送り時の並びで、かおたんは推しである惣田さんの進行方向向かって奥隣であったため、推しと会話すると剥がしに流されしまうため会話した事がなかったのだった。

そんな今日は
推しへの挨拶はそこそこに、かおたんに「ありがとう」の一言を告げて大満足で劇場を後にした。

それから、2日後の握手会でいつものように推しのレーンで他愛のない会話で盛り上がっていた時、一昨日の公演の話題になった。

「香織さんのあの行進スゴかったよねぇ笑笑」
 彼女はあの光景を思い出してモノマネ付きで爆笑していた。

「あれがあの子の優しさだよねぇ。不器用だけどさぁ笑」
俺はあの日感じた気持ちを笑いながら軽く言ったつもりだった。

でもこの一言で彼女の表情が一瞬で笑顔から真顔になった。
一瞬の間の後、真顔のまま深く頷いた


おそらく、かおたんがKⅡに昇格していなかったら俺は今みたいにSKEを楽しめてなかったと思う。ひょっとしたら飽きっぽい性格故に早々とヲタ卒していたかもしれないし、ガチ恋属性のヲタになっていたのかもなぁと考えることもしばしばあります。


SKEの楽しみ方は、かおたんが教えてくれたといっても過言ではないんです!(未だにかおたんレーンには行っていませんが笑)

2017年1月3日火曜日

初めての握手会編


なんとなく偶然入ったラムネの飲み方公演ですっかり「惣田紗莉渚」の虜になってしまった俺は当然のごとく公式ブログやGoogle+などで彼女の更新をチェックしたり、SKEについて調べたりする事が日課になっていた。
そんな中、更新ツールに頻繁に「握手会」や「写メ会」などの記述が登場するようになり
「握手会行ってみたいなぁ。。。」
漠然と直接会える機会に興味持ちつつも、いざ行動に移そうとなると「何話せば良いのか分からないしなぁ。。。」と消極的になるというサイクルを何度か繰り返すばかり。。

何日もネガティブな葛藤を続けた俺が「握手会に行ってみよう」と実際に決意?したのはネット上で読んだ彼女の握手会での対応の評判があまりにも良かったので「これなら握手会初心者の俺でも何とかなるかも?」と思い込んでしまったから以外にない。

「よし、握手会行ってみるぞ」
と自分の中では大きな決意をしてはみたものの、どうやって握手券を手に入れれば良いのか検索してもヒットしない。
ちょうど12カンのリリース発表前であり「SKE 握手会」で検索しても申込が終了している不器用太陽の劇場盤ページに飛ぶだけであった。
今思うと情けない話ではあるが、当時は全握と個別の違いはおろかAKBの握手会にもSKEメンが参加していることすらわからなかったので握手会初参加へのハードルは相当高い状況に自分が置かれていたのは間違いない。

とにかくネットで検索し続けていても
「さっぱりわからない」
今までであれば、「もうイイや。面倒くさい」で諦めてしまうところではあるが、今回ばかりは「惣田紗莉渚に会ってみたい」という気持ちが勝っていて困り果てるばかりであった。

誰かに教えてもらうのが一番だけど、自分の周りにアイドル詳しい人間いないしなぁ。。。と友人関係の顔を思い浮かべている中、ふと学生時代のバイト先の後輩O君が「AKBの握手会に行っている」という話を数年前の飲み会でしていた事を思い出し、藁にもすがる思いで、久しぶりにLINEで連絡を取ってみることにした。
「元気? 握手会とか行っているの?」
唐突に送ったLINEの返信は思いのほかすぐにきた
AKBの握手会の事ですか? どうしたんですか急に??」
後で聞いた所によると彼にとって俺から握手会というワードが飛び出すことは青天の霹靂だったらしく、すぐに電話が鳴った。
「先輩久しぶりっす。どうしたんですか?急にハマったんですか?笑」
「いやいや、どんな物なのかちょい興味が湧いてきたんで。。。」俺は努めて冷静を装い世間話のネタ程度の情報収集感を醸し出そうと抵抗してみた笑

彼は電話で握手会は「個別握手会」と「全国握手会」の2種類があり全国握手会はミニライブがある事や、個別ならば自分の握手したいメンバーと確実に握手できる事、握手時間は1枚10秒程度で、「ループ」や「まとめ出し」など初心者には理解しにくい仕組みを丁寧に教えてくれた。

ただ一つ問題があった
彼はいわゆる本店ライトでありSKEには全く興味を持っていないのである。
全握や個別のシステムはどのグループでも大体は一緒であるという事は知っているようだが、俺が次に いつ、どうやって、SKEの惣田紗莉渚と握手できるのか?という具体的な答えは知らないようである。

AKBの超選抜メンが推しである彼に勇気を持って聞いてみた
SKEとかどうかな?良いと思うんだけど。ドラフトの子とか。。。次のシングル買ってみたいと思うけど。。。」
SKEですか??先輩どうしたんですか?正直可愛い子いないですよ。。HKTとか今キテますよ」
聞くだけ無駄であったようで、彼の中ではSKEは眼中にないようだった。
色々、握手会の事について教えてくれた事に感謝しつつも、自分が夢中になっているSKEの評価が彼の中では低かった事にショックを受けながら電話を切った。

数週間後、リクアワでSKEの新曲「12月のカンガルー」のお披露目があり、惣田紗莉渚が初選抜に入った事を知り、mumoというサイトで個別握手券を購入する手順が公開された。

確かスケジュールは名古屋で2回の後に京都で1月17日、18日の2日間であった。今でこそ名古屋なんて遠征に入らないくらいの感覚だが、当時は当然地元関西の会場である京都一択になった。しかも18日は彼女の誕生日だ。

個別握手券の申し込みが開始になり17日の午後数枚と18日に数枚、惣田紗莉渚だけを購入することとした。

そしていよいよ運命の1月17日握手会当日を迎えた。

会場の京都パルスプラザは、最寄駅から徒歩では辛い距離である事からマイカーで自宅を出発した。高速を使えば休日は1時間を切るくらいの距離であるはずなのに午後からの券しかないにも関わらず、朝7時に家を出るくらいの用心深さであったほろ苦い思い出笑
(今では寝坊で遅刻で券を溶かす事もあります)

会場裏のパーキングに車を止めてみたものの握手券に記載されている時間まで相当ある。仮眠を取ろうにも神経が昂ぶっているためか眠れない笑
会場に向かうであろう人波が大きくなってくるのが見えた時、車中にいる自分が不安になり、時間まで2時間はあったが会場に向かうこととした。

まず、会場前に着いてビックリしたのが『SKE握手会』といったタイトル看板などが何もないことであった。
確かに明らかにSKEファンであろうグッズを身につけた人たちが会場内に入って行くのでここで間違いないのであろうが、イベント会場の常識としてタイトル看板くらいあるでしょと、ちょっとカルチャーショックを受けたと同時に未知の世界に飛び込むんだなぁと妙な緊張感に襲われた。。

今では日常となった手荷物検査と金探を抜け熱気と人混みの会場内に辿り着くとすぐにお目当のレーンは見つけられた。受付の机があり、そこで身分証明証と握手券のチェックが行われるようだ。

整列用のレーンはプラ柵とPPロープで仕切られたチープな作りで、その先の三つ折りで申し訳程度に仕切られているブースにメンバーがいる。
ん?ここで少々想像と違っていた光景に気づいた。
自分の購入した部の一つ前の部であるが、惣田紗莉渚レーンに誰もいない。。。誰も並んでいない。時折、1名パラパラと向かう人が見受けられる程度で、基本濃い?ファンの人が受付外の足元に線が引いてある場所から手を降ったりしている。
??確か、ドラフトメンでは握手人気がすごくて結構並んでいるみたいな事書いてあったけどなぁ?
事前の情報とは違う光景に戸惑いながらも、次の部の受付開始時間を待った。
やがて一旦閉じられたレーン後方のカラーコーンバーが係員の手によって開けられると待ちわびたヲタ達が受付へと雪崩れ込んでいく50名程度だろうか?
先ほどの滑走路状態と異なりレーン内の蛇行列が2列少々くらいのボリュームになった。
さぁ自分も行かなきゃ。そう呟いてみたものの足が前に進まない。完全に気後れしてしまった。ただただ傍観者のように、レーンから退出してくる人たちの表情を眺めていた
握手を終えてレーンから出てくる人達の表情は皆笑顔だ。さっきまで難しそうな顔をしていた一見厳つい見た目の人も満面の笑顔に変わっている。。。

よし、あと5分したら行こう。いやあと10分。。自分の中で意味のない区切りを何度も設定してみるものの足が前に出ない。気づいたらレーンはまた滑走路状態になっていてますます行きづらい。。。刻一刻と受付終了時刻が迫ってくる。。
「ヤバイ。。時間ないやん。。。」力なく呟いて受付に向かおうとしたら、今度はある異変に気付いた。一人のヲタの方が1枚出しで延々とループされている。握手してすぐに受付前でUターンを繰り返すその合間に自分が入るタイミングを掴めない。。。

正に「タイミングを逃すと大縄跳びみたいには入れなくなるよ。」状態で顔面蒼白に笑

係員がトラメガで「間も無く受付終了でーす!」と連呼し始めた、受付終了の5分前、意を決してレーンに突入した

正直、何を話したのかははっきりと記憶にない笑
おそらく公演で好きになった事とか話をしたような。。。。
ただ、満面の笑みで優しく迎えてくれた。評判通りの対応で笑

通い慣れた今でこそレーンに入れば釣り対応なんて昔の話で、いきなりのドS対応なんてのも飛び出しますが、当時の握手会初心者であった俺には天使以外の何者にも感じないほどでした笑

確か3枚出しだったと思いますが初めての握手会で30秒弱の夢心地の時間があったからこそ、今こんなに楽しいSKEヲタライフを送れる大事なきっかけになった1日の大切な思い出です。